【フォントの面白さに気づく一冊】「本を読む人のための書体入門」レビュー




どうも
橋本(@Abhachi_Graphic)です。

デザインを勉強する上で、書体の知識は欠かせませんよね

書体を勉強していると街で見かける書体が気になることもしばしば。

今日はそんな書体に関する本がおもしろかったので、レビューを残しておきます。

デザイナーがフォントを勉強するための本じゃない!

私の肩書きは文筆家ですが、私は自分のことを「文字食」と呼んでいます。
「文字」を食べる人、言葉を味わう人、という意味です。(p12)

著者の正木香子さんはデザイナーではありません。
しかし「草食」や「肉食」と同じように自身を「文字食」と例えるほど文字が好きな方です。

この本もデザイナーが書体を学ぶためのものでは決してなく、
本を読む人、文字に触れる人に書体の違いを見ることの面白さを解説した本です。

 

ホラーフォントとして根付いたドラゴンボールの「古印体」

古印体とは、現在はホラー漫画などに使われる書体のひとつで見たことも多いと思います。

古印体がはじめて商業誌で使われたのが、漫画「ドラゴンボール」の冒頭の説明書きです。

 

当時和文フォントが数種類しか使われていなかった中、画期的な使われ方だったと言います。

当時はホラー的な使い方ではなく異国の話、奇想天外で何が起こるか分からない冒険譚といったイメージを喚起させるものでした。しかし生き物が這った跡や、血の跡を思わせる不気味さから次第にホラー漫画などで使われることが多くなっていきます。

しかし本来はシャチハタフォントと呼ばれるように、ハンコに使われることを目的としたフォントだったのです。

こういった本来のフォントの用途と違った印象が生まれていくのも、書体の面白さですね。

 

水曜どうでしょうの「クラフト墨」

水曜どうでしょうの、気の抜けたフォントと言えば伝わる方も多いのではないでしょうか。

著者は水曜どうでしょうは非常に書体を大切にする番組であり、それが大ヒットの一因であったと考察しています。

「シカでした」や「小林製薬の糸楊枝」に代表(?)される書体ですが、
風景を淡々と映すこの番組においてテロップが表す雰囲気は非常に重要な要素です。

他にも荒々しい発言に付く「大髭書体」も非常に特徴的で、ほとんど顔の見えない出演者の会話に良い味を出しています。

 

まとめ 〜書体を「見分ける」とは?〜

書体を「見分ける」というのは、世の中の評価を知ったり、書体の名前を暗記したり、ましてや線を重ねて見比べることではないような気がします。
じゃあ一体どういうことなんだろう。
私はこう考えます。
書体を「見分ける」とは、文字の中に記憶を見出すことである。(p120)

デザイナーの中には書体マニアという人がいて、ある一文字を見ただけでフォントの名前を言い当てることができる人がいます。

しかし筆者はフォントを本当に意味で見分けるには、自分がある書体を見たときにどう感じ、なぜそう感じたかを反芻することが大切だと述べています。

本当に大切なのはフォントを見分けられる力そのものではなく、フォントを見たときにどう感じ、どういう場面で使うのに適しているか自分で考えることなのでしょう。

デザイナーでなくても普段目にする膨大な書体のわずかな違いを感じられるようになれば活字に触れる機会が楽しくなるのではないでしょうか。

補足

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