資本主義から価値主義への転換・お金を通じて生き方を学べる一冊『お金2.0』




とっくに話題になっていますが、『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』という本を読んでみたらめっちゃ面白かったのでレビューを書いておきます。

著者は時間を通貨に変える新しいシステム『タイムバンク』を開発したメタップスCEOの佐藤航陽氏。

そもそもお金とは何か?という基本的な知識からスタートしますが、お金や経済の知識を得られるだけの本ではありません。サブタイトルにもある通り、お金と経済を通してこれからの世界の生き方を教えてくれる本です。

参考になったポイントと感想を簡単にまとめていきます。

トークンエコノミーの発展で既存の通貨の価値は下がる

まず、これから法定通貨以外の価値に重きが置かれるようになる時代が来る(というか来ている)と述べています。現在の通貨は国が管理している日本円であり、多くの人は『通貨は中央が発行・管理するもの』という原則が当たり前と捉えていると思います。しかし今、通貨の役割を果たすものが分散化する「トークンエコノミー」という独自の経済圏が形成されつつあります。ビットコインがその最大のものでしょう。

そしてテクノロジーの発展により独自の経済圏が築かれる一方で、相対的に既存の法定通貨や資本の価値は下がっていきます

現在財務諸表で扱われている評価軸は土地や建物・備品といった『資本』ですが、これからは資本そのものではなく『価値』が評価軸になっていくでしょう。たとえばグーグルやフェイスブックは小国を上回るほどの巨大企業ですが、その根底を支えているのは巨大な工場や人的資本ではなく膨大な顧客データです。しかし今のところは財務諸表上で顧客データの価値を表現することはできません。

さらに人気YouTuberは稼げるお金の額が減るよりもチャンネル登録者が減ることを恐れていると言います。つまりお金よりも自分のコンテンツを積極的に受信してくれるフォロワーの方が価値があると捉えているのです。

今はフォロワーの数などをもとに個人の価値を算出するVALUなどのサービスが登場していますが、これからは法定通貨という名のお金を介さずに価値を交換できる時代が来るかもしれません。

トークンエコノミーとは
トークンエコノミーは法定通貨ではなく管理が分散化された代替通貨による経済のこと。通貨の発行主体がなく、商品の売買などが成り立つ仕組み。ビットコインで買い物ができたり給料がビットコインになってるイメージ。

 

価値主義は個人の価値が重要となる

法定通貨以外の価値を数値化できるサービスも続々と登場しています。

  • VALU→個人が株式(VA)を発行できる
  • タイムバンク→時間を通貨とする経済
  • レターポット→個人に集まる声(文字)を通貨とする経済

※レターポットについての記述は『お金2.0』にはありません

 

そしてこれらのサービスに共通するのは、組織ではなく個人の価値が重要ということ。

どこの会社に属しているかが重要なのではなく、価値ある個人であればどの会社で働いているかは単なる情報でしかない。たとえば「お金2.0」の発行元である幻冬舎のTwitterアカウントのフォロワーと、幻冬舎の編集者・箕輪康介氏のフォロワーに大差がなく、箕輪氏のフォロワーの方が大きく上回るのも時間の問題でしょう。

これからはお金を稼ぐためではなく、個人が価値を発揮するための時代になると述べられています。会社は個人が価値を発揮するための一つのチャンネルに過ぎなくなります。

 

世代によっては異質に感じることが起きている

第3章で、イギリスの作家ダグラス・アダムスが残した言葉が引用されています。

人間は、自分が生まれた時にすでに存在したテクノロジーを、自然な世界の一部と感じる。15歳から35歳の間に発明されたテクノロジーは、新しくエキサイティングなものと感じられ、35歳以降になって発明されたテクノロジーは、自然に反するものと感じられる

つまり、仮想通貨をはじめとしたトークンエコノミー・価値主義の評価経済を異質に感じる世代と当たり前に使いこなす世代(トークンネイティブ)で意見に差が生まれるのは当然ということ。

中央集権的な法定通貨ではなく、トークンエコノミーに基づいた(通貨の発行主体が必要ない)仮想通貨なんて「怪しいし詐欺だ」・「規制が必要だ」と言われているのを聞いたことがあると思います。しかし今では当たり前のインフラとなっているインターネットやSNSの登場でも同じようなことが囁かれていたそうです。

つまり資本主義で長年生きてきた人たちが簡単に理解できるような仕組みからは大きな変化は生まれないということを覚えておきましょう。

 

結局、これからどう生きていけばいいのか

価値主義に変わります。って言われても何をどう変えればいいかわかりにくいかもしれません。

僕の場合、今後は資本主義と価値主義の両軸に片足ずつ置いた生き方にシフトしていく必要があると感じました。個人の価値が重要だとは言っても、もちろん生きるためにお金を稼ぐ必要はあります。しかし今後個人の価値さえ高めておけばどうとでもなる時代がやってくると見越して、価値を高めることを怠ってはいけません。

具体的には以下のような行動が考えられます。

  • お金は稼げるけど成長につながらない仕事は減らす/やらない
  • 価値主義への経済圏へ小さく踏み込む(個人でブログによる発信・YouTuberデビュー等)

 

感想

本当にタメになる本を買うと折り目だらけになる本がありますが、『お金2.0』が正にそれです。

このレビュー記事が短めなのは、役に立ったことの全てをこの記事にまとめてしまうと本を一冊丸写しするようなことになってしまうからです。

この記事を書いている時点でAmazonのビジネス書売れ筋ランキングで1位なので僕が保証するまでもありませんが、間違いなく今後の経済や生き方の移り変わりを把握しておくためには必読の一冊です。

関連コンテンツ



この記事をシェアする!