「Twitter規制検討」の見出しに踊らされたら危険ですよという話




神奈川県座間市で起こった凄惨な殺人事件について、「#Twitter規制検討」が話題になりました。

この騒動で気になったのが、Twitter規制の可能性について一切言及されていないことが拡散されている点です。

 

死にたいとつぶやいたアカウントを凍結する?Twitterのルール変更点

こういうツイートが広まっていましたが、端的に言うと自殺願望を呟いたアカウントを凍結するなんて一切言及されていません。

Twitterルールで変更された自殺や自傷行為に関する記述は↓これです。

自殺や自傷行為: 自殺や自傷行為の助長や扇動を禁じます。ある利用者に自殺や自傷行為の兆候があるという報告を受けた場合、Twitterはその人物を支援するために、さまざまな対応を行うことがあります。たとえば、その人物に連絡してTwitterのメンタルヘルスパートナーの連絡先などの情報を伝えたりします。

ちなみにTwitterのルール変更を取り上げた記事では、「たとえば、その人物に連絡してTwitterのメンタルヘルスパートナーの連絡先などの情報を伝えたりします。」の部分だけが切り取られていたりします。

なぜか『規制=「死にたい」と言えなくする』と捉える人が多いのもこういう切り取られ方のせいかもしれません。

 

政府のTwitter規制検討?

この騒動の元となった、菅官房長官の『Twitter規制検討』に関する発言はおおよそこんなところ。

「今回の事件だが、被疑者がTwitterなど人目の届きにくいSNSを利用し、自殺願望を投稿するなどした被害者の心の叫びにつけ込んで殺害するという極めて卑劣な手口だとみられている」

「自殺に関する不適切なサイトや書き込みへの対策強化、ネットを通じて自殺願望を発信する若者への心のケアの充実に関係省庁を横断して取り組む。来週にも関係局長会議を開催し、各省庁の取り組みを検証した上で、再発防止策を1カ月をめどに取りまとめたい」

「Twitterの規制等でありますけれども、今後、関係局長会議など開催する中で検討の対象になるだろうと思うが、現段階で予断を持って答えることは控えたい

政府のHPから映像でも見られます。

https://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/201711/10_a.html

この文章を読むと分かる通り、規制をするかどうか、するとしてもどんな規制をするつもりなのか読み取ることはできません。しかしこの内容で「SNSの不適切書き込み、規制強化指示」というタイトルの記事が出ています。

 

この会見に対して上がった反対の声

(「Twitter規制検討」で検索)

  • 包丁で刺されたからといって包丁を規制するのと同じだ
  • Twitterではなく自殺者が多いこの社会に問題がある
  • 事件を起こすのはTwitterではなく人だ
  • 言論統制だ
  • 表現の自由に反する

この意見の一つ一つは間違ったものではありません。しかし、

そんなこと一言も言ってません・・

Twitterで特定の発言(例えば「死にたい」)をしたらアカウントが凍結されるとか、今回の事件はTwitterが原因だとか一言も言ってないんですよ。

もちろん、政府が本当にTwitter上での特定の発言を規制することになる可能性も否定できません。ただ、11月10日の菅官房長官の会見だけでは、本当に規制をするのか、するとしてもどんな規制をするか判断できません。「検討の対象になるだろうけどまだ分からない」って言ってるだけですからね。そのごく限られた発言だけでこういうツイートが拡散されてしまうTwitterは確かに怖いものだなと思いました。

会見の一節を切り取って「政府がTwitterの規制を検討している」「SNSの不適切な書き込みを削除するなどの規制を強化するなどの改善策を取りまとめた(そんなこと言ってない)」とニュースが出るとユーザーが途端にそれを信じ込み、「政府のTwitter規制」を批判する声がシェアされる。言っていない言葉が曲解されて拡散される一連の騒動を見て、改めてメディアとSNSの怖さを再認識させられました。

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